アポスティーユ付き無犯罪証明書取得の所要時間

今年も最終四半期に入って残り少なくなってきました。もし、来年の春頃、海外赴任が予定されていて、赴任予定先の国でのビザ取得に、米国のアポスティーユ付き無犯罪証明書の提出が必要ならば今から依頼されるようにお勧めします。半年もあるのに何を言っているのかと訝しがる方もいらっしゃるでしょう。海外赴任される方の多くが、以前米国に滞在した経験(赴任、留学等を問わずある一定期間を超えての滞在歴)があれば、第3国のビザ取得時には必要となるこの書類が、実はかなり取得に手間暇がかかる厄介者だとはご存じないようです。

弊所においても、毎年春過ぎになると海外赴任する方から、米国のアポスティーユ付き無犯罪証明書取得の依頼が増えますが、実は数カ月から長い時には半年以上もかかりますとお伝えしなければならないのです。無犯罪証明書発行の政府機関とアポスティーユ貼付の政府機関は通常異なります。すなわち、通常の無犯罪証明書にアポスティーユを貼付するだけで、2倍の手間、時間、労力そしてリスクが存在するのです。

最近では、オンライン取得した無犯罪証明書も受け付けてくれるようになりつつありますが、オンライン取得した無犯罪証明書にはアポスティーユは貼付できません。まだまだアポスティーユ付きの無犯罪証明書でなければならない国も多く残っています。その場合には、指紋票を作成し、米国の無犯罪証明書を発行する州および連邦政府に提出します。その際、日本の警察に出向きますが、すべての警察署で可能なわけでなく、さらに指紋採取をしてくれる警察署であっても、日本の警察は指紋採取者の氏名、所属、署名をしませんので、その対応も必要ですし、また、米国側においても、証明書の送付先が米国内に限る等、実はいろいろハードルがあります。また、申請過程で、指紋の読み取りができないとの理由での拒絶、申請料を支払ったのに受け取ってないとの拒絶、指紋票の紛失、複数枚請求したのに一枚だけの発行等が起こり得ます。できるだけわかりやすくはっきり申請しても、このように時間がかかる残念な出来事が起こるのです。さらには、犯罪歴がある似たような名前の方がデータベースに登録されていようものなら、無犯罪証明取得のつもりが、犯罪証明書が送られてきたりもしかねません。指紋ベースの犯罪記録検索の方法ではあまりこの問題はありませんが、それでも四六時中コンピューターでタイプをしていて指紋が薄い人は注意が必要です。

海外赴任など半年前にはわからない、赴任命令を1週間前に受けた等ご事情はおありでしょうが、このような悲劇に見舞われないよう可能な限り早め早めに、長年の経験に裏付けされた様々なノウハウを持つ弊所にご相談されるようにお勧め致します。