休暇中の旅行-規則と権利

危機管理・保険

休暇が目前になって、旅行の準備、勤務スケジュール、パーティ、それにプレゼントなどに思いをはせているでしょう。旅行を予定しているのなら、特に飛行機の場合、空の旅に関する規則と規定について時間を割いて確認すべきです。
空港での検査に面した際に、多くの人が持つ最初の質問は、「それは合法的か?そこまでできるのか?」でしょう。基本的には、可能です。アメリカ憲法修正第4条によれば、政府が人を身体検査するためには令状が必要ですが、空港での検査は「特別事由」例外に該当します。国中の裁判所は、空港での検査は、単なる法律の適用を超える目的があり、合理的であると判断しています。飛行機を利用する際には、検査に黙示的に同意していると判断する裁判所もあるほどです。同時多発テロ以降の世界では、誰もが、ある程度の検査と機内持ち込み物に対する規制を、覚悟しているはずです。

手荷物規制>


機内持込みの液体物に対する制限は、今一番注意が必要な規定です。旅行者に共通する不満は、かかる規定が一定せず理由が不明だというものです。しかし、運輸保安局(Transportation Security Administration(TSA))によれば、これらの制限は、広範な爆薬テストに基づいており、いかなる種類の爆薬の最低有効量も機内に持ち込ませないために必要な規制だというのです。
機内に持込める液体量について覚えやすいように、TSAは3-1-1と考えるように乗客に推奨しています。つまり、どの液体も最大3オンスまでで、全ての液体は1クォートの大きさの透明なジッパーつきのビニール袋に入れ、乗客1人につきジッパーの袋1つまで認められます。TSAは、混乱を抑え、全ての検査手続きを効率的に出来るように、この透明な袋を別にするように求めています。もちろん、この規制にも例外があります。例えば、赤ちゃん用ミルク、子供用ジュース、さらに障害者や医療上
必要となる全ての液体が挙げられます。面倒さと遅れを避けるためには、不安なときは預かり荷物に液体物を入れるのが一番と覚えておいて下さい。
ナイフ、ボックスカッター、それにゴルフクラブなどの潜在的な武器の持込を禁止する規則は、既に長期間適用されています。ところが、TSAは、使い捨て剃刀、4インチ未満のはさみ、葉巻切り、それにコルク栓抜などの意外なものの持込を認めています。繰返しますが、自信がなければ、預けるのが一番です。

絶対に例外が認められない物


TSAは、預かり荷物の中も含め、絶対禁止の物を定めています。これらは、火薬、照明弾、それに花火などの通常火災を起こす危険性のあるものです。
手荷物または預かり荷物として何を持込めて、何を持込めないかに関し、疑問若しくは懸念があれば、TSAのウェブサイトのwww.tsa.govでお調べてください。こういった規制は頻繁に変更され、すぐに旅行に影響がでるので、最新の規制を常に確認するのは大切です。

その他の警備基準


最近飛行機を利用していれば、手荷物及び預かり荷物に関する規制だけが、現在適用されている警備基準ではないと理解しているはずです。何十年にも亘って適用されていますが、全ての乗客は、自分の手荷物をX線検査にかけて、金属探知機を通らなければならないのです。繰返しますが、こういった手続きは、いくつもの裁判所によって、許される検査と判断されています。
さらに、「無作為検査」を行う空港も多くあります。これらの検査は、通常金属探知機に加えて行われ、さらに乗客のボディチェック及び手荷物検査、すなわちTSAの係官によるバッグの中の実際の検査を意味します。これは差別との主張が出来る分野ですが、実際には、通常コンピュータにより抽出されている、本当に無作為の検査である限り、憲法違反とはなりません。
その他の警備基準には、犬を使ったパトロールとより厳しい貨物検査があります。さらに、施設に近づく車両の無作為検査を行っている空港も今は多くなっています。これらは通常トランク、車両内部及び下部の目視検査です。

国ごとに異なる基準


TSA基準は合衆国内でのみ適用されます。もし、休暇で海外に渡航するのであれば、渡航先の制限と規則を調べて下さい。大部分の規制は似ていますが、大きな違いも時々あります。たとえば、2006年のある期間、イギリス発の旅行客は手荷物を持込めませんでした。欧州委員会(ec.europa.eu)は、欧州連合内を飛行機で移動する際の乗客の権利と制限に関する情報を提供していますし、あなたの利用する航空会社は、あなたのフライトに関する明確な制限を説明しています。

対応策


旅行が比較的問題なく進むように、旅行者が取れる対応策はいくつもあります。

  • 早めの到着:余裕を持って離陸よりも早めに空港に到着する。検査を受けるときに充分時間があれば、ストレスが少なくて済みます。
  • プレゼントを包装しない:どんなプレゼントも目的地に着くまで包装しない。包装紙のためにバッグの中を検査官が確認しにくくなり、結果的に遅れが大きくなってしまいます。
  • アナウンスに注意を払う:空港と検査官は、検査の特定な条件(靴を脱ぐなど)を繰り返しアナウンスします。アナウンスに注意して、指示に従います。
  • 事前に計画する:旅行の前に、利用する空港、航空会社それに目的地となる国の規制を正確に調べておきます。どのような条件があるかについての事前の正確な理解は、旅行を問題なくすすめるための最善の対策です。
  • フォローアップ:権利が侵害された、差別を受けた、または、航空会社が充分なカスタマーサービスの提供を怠ったと感じるならば、フォローアップし懸念を伝えて下さい。TSAと国土安全保障省は、検査の過程での差別には非常に敏感です。両機関とも、ウェブサイトで苦情の申立方法を説明しています。特定の航空会社に対して問題があれば、カスタマー・サービス係まで電話をかけるか電子メールを送信しても何ら損はありませんし、フリクエント・フライヤーのポイントを特別にもらえるかもしれません。

拘束されたら


通常、空港警備は、単に面倒さと少しの遅れだけで済みます。しかし、時には深刻な法的問題になってしまいます。旅行中、空港または出入国管理当局によって遅延が発生したならば、まずうろたえず、次に冗談またはもめるときではないと認識すべきです。
警備員によって拘束されたならば、指示と要請に素直に従うのが一番簡単で早く済む方法かもしれません。拘束が、予備検査に続く無作為の追加の検査であり、何も特別な理由はないのかもしれません。拘束された乗客が怒り、感情的になってしまったせいで、状況が瞬く間にエスカレートして、ニュースとして報道された例は数多くあります。素直に指示に従えば、すぐに開放されて、フライトにまだ間に合う可能性もあるのです。
本当に「拘束」されて、自由に立ち去る権利があるとは感じられないならば、憲法上「拘留中」と見なされると理解して下さい。すなわち、黙秘権と弁護士に相談する権利があります。礼儀正しくなぜ拘束されたかを尋ねて、あなたに質問をしている係官の名前とバッジの番号を確認するように努めます。拘束を直ちに航空会社に連絡し、可能であれば旅行を継続できるようにします。何らかの理由で権利が侵害されたと思うならば、TSA、国土安全保障省または弁護士に連絡するのを躊躇しないでください。

※この記事は法律上の助言を構成するものではなく、一般的な法的原則の一般的な概要のみを示しています。 これらの原則は、管轄地によって異なる場合があります。 ご自身の特定の状況については、弁護士に相談する必要があります。 この記事の公開によって弁護士と依頼人の関係が形成されません。

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