「差別のない学校へ」

アメリカ 弁護士 法律事務所 法律 差別のない学校へ夏休みは遠い記憶となり、全国の学生は、本をバッグに詰めて学校へ戻ります。若者の多くは(それに両親も)、連邦法タイトルIXが、全ての学生が学校の教室の内外で平等な機会を享受する権利を保障していると理解していません。
タイトルIXは、連邦政府の財政支援を受けている全ての教育制度又は活動において、性別による差別を禁止しています。タイトルIXは、男女のスポーツ選手への機会均等を規定しているだけではなく、数学の授業からバンドの練習まで、教育の全ての面に適用されます。
タイトルIXの主たる目的は、全ての女性への平等な教育機会の確保であり、特に、大学及び大学院の門戸の開放です。タイトルIX以前は、多くの大学院は女性入学者数の上限を設定しており、さらに、いくつかの学校は男性よりも女性により厳しい入学基準を課していました。タイトルIXの下では、そのような行為は違法です。
タイトルIXは、2種類の差別を規定しています。学生が性別により異なる扱いを受けたときはいつでも、取扱い差別となります。例えば、女子が家庭科クラスに、男子が工作クラスに割り当てられたり、または、先生が男子に建設の仕事についてのパンフレットを配布して、女子に同じ情報を配布しなければ、この差別となるでしょう。高校でのスポーツについて、女子を普通ではありえない、又は人気のないシーズンに割り当て、男子を通常のシーズンに割り当てた場合、取扱い差別となるでしょう。
結果的差別は、見かけ上性差別を行っていないようで、実際には一方に対して他方よりも影響が大きい行為の結果起こるより曖昧な差別の形態です。たとえば、学校に「髪の長い生徒には、化学の実験は認められない。」という規則があれば、結果的差別になる虞があります。そのような規則は、全ての生徒に適用されるので性差別でないようにみえますが、普通女子のほうが髪が長いので、実際には男子よりも女子生徒に多く適用されます。もし、学校が、規則に関して「重大な合理的根拠」を証明できれば、ポリシーを正当化できる可能性もあります。たとえば、そのようなポリシーが安全のために必要であると主張するかもしれません。それに対し、女子生徒は、長い髪の学生が実験中は髪を後ろに結ぶという規則で同じように安全は確保できると反論できます。同様に、1時間チューバを持てる学生だけが、学校のマーチングバンドでチューバを演奏できるという規則は、差別的となる危険性があります。表面上全ての学生に適用されるので、規則は性差別をしてないようですが、女子は楽器を長時間運ぶために必要な身体的な強さやスタミナが男子よりも劣る場合が多く、実際には女子により多く適用されてしまうのです。
もし、学校が生徒にたいして性別による差別をしていると思ったならば、どのような苦情を申し立てて、どんな救済措置があるかを弁護士に相談して下さい。

(2006年秋)

「自宅の改築:請負業者と契約書」

アメリカ 弁護士 法律事務所 法律 自宅の改築:請負業者と契約書改築が家に付加価値をもたらし、予算も確保し、借入の工面もつきました。いよいよ一番大切な「誰に依頼するか?」を決めなければなりません。
本稿(「自宅の改築」シリーズの第2回)では、どうやって業者を選び、契約書に合意するかを説明します。決定する前に、どんな情報が必要でしょうか?そして、業者を決めたならば、あなたの権利を守るために有意義な契約を交わす基本は何でしょうか?

業者の選定

改築してくれる業者のリストアップには、多くの方法があります。近所で出来のよい仕事をした業者に連絡したり、又は地元の新聞広告で見つけたりできます。しかし、一つの業者に絞る前に、仕事に最適な人を探すために、以下のステップを踏むべきです。

見積り3通

改築のためには、時間を割いてでも見積りを3通取って下さい。いざ、仕事が始まってから、費用が高すぎると感じても、後の祭りです。見積りを依頼する前に、やってほしい仕事の詳細なプランを立てます。見積りを依頼する業者に、それぞれ同じ情報を与えて、見積りを適切に比較します。
万一、価格が大きく異なるようであれば、まず違いが主体工事にあるのか、仕上げにあるのか確認して下さい。主体工事とは、床、壁、天井及びその奥に収まる全ての仕事です。この部分にかかる費用は、業者によってそれほど変わらないはずです。仕上げには、回り縁、装飾、タイル、及び家具を含みます。これらにかかる材料費や人件費は大きく差がつきます。もし、仕上げ費用の差が、合計の差になっていなければ、なぜ見積もりに違いが出ているのか、調べなければなりません。全ての業者が、予定している仕事の内容を同じように理解しているかチェックします。

最大限の事前調査

評判の良い業者というのは、以前の依頼主を何人か紹介できるはずです。時間がかかっても電話し、その業者が担当した箇所を見せてもらえるか頼みます。その業者と仕事をするのは、どんな感じか教えてもらいます。
また、地元で改築工事に関わる人たち(例えば、電気、水道、内装工事業者)や地元の不動産屋にも相談します。その人たちが、あなたの検討中の業者について、何か知っているか調べます。
最後に、業者の信用度を確認して下さい。州政府の免許を管理する部署に連絡して、その業者が免許を持っていて、担保を積んでいるか確認して下さい。

業者が保険に入っていて、保険があるかも確認して下さい。

その業者が労災補償と総合責任保険を持っているか確かめるために、有効な保険証明書の提示を求めて下さい。労働者災害補償保険は、仕事上の怪我に関して、業者とその従業員をカバーします。総合責任保険は、業者及びその従業員以外の人への過失による怪我又は財産に対する損害が発生した場合に、適用されます。改築のときにあなたの家で負傷した人は誰であっても、業者が適当な保険に入っていなければ、あなたも訴えることでしょう。
業者に仕事上の保証があるかどうか尋ねて、契約書上規定されているか確認して下さい。一部の業者は、追加料金を払えば保証期間を延長してくれます。

業者との契約

改築は、おそらく数万ドル、場合によっては数十万ドルもかかるでしょう。業者との契約条件を規定した契約書面によって、あなたの投資を保護するのは重要です。この段階で、弁護士にあなたの契約の検討及び契約交渉をしてもらうために数百ドルを支出するのは賢明な投資です。
業者との交渉を始めるために、「標準の」契約書を提示しても良いでしょう。これを叩き台として下さい。(全ての契約書は、交渉、変更、書き直しができます。)あなたの弁護士に、あなたの改築に関する特別条項の交渉を手伝ってもらいます。全ての契約は、基本的な条件を規定していなければなりません。

建物工事代金の担保権

あなたの敷地内での作業に関わるサービス、労働又は材料を提供する人は誰でも、あなたの資産に対して建築工事代金の担保権を設定できます。担保権があなたの資産に設定されたならば、あなたは支払いを完了させない限り、資産を担保にした借金、又は資産の売却ができません。担保された代金が未払いのままならば、多くの州では、担保権者は、弁済のためにあなたの資産の売却を強制できます。
こういった状況を避けるために、契約上、あなたが定期的に支払いをする限り、業者及び下請け業者による完成した仕事に対する担保権の放棄を規定すべきです。さらに、契約上、作業終了に際して、あなたが最終的な支払いをする前に、作業に関わった全ての関係者が完全に担保権を放棄するよう規定するべきです。

保証と保険

既に説明したように、契約が、工事と作業に使用された資材への保証を規定しているか確認して下さい。また、契約上で代位権条項を放棄すべきです。そうすれば、業者が誰かを負傷させた責任を問われたとき、業者はあなたが損害賠償金を負担するよう訴えられません。また、契約は、あなたが改築期間に起こった怪我に対して責任を問われたならば、業者はあなたに弁償すると定めなければなりません。

費用と支払い

契約では、工事代金及び内容を明確に規定し、労賃と資材費を項目別(例えば、水道管、大工、及び電気工事)に分けるべきです。時給制又はコストプラス(業者は、資材費に自分で決めた割合の利益を上乗せして請求します。)の契約は結ばないで下さい。時給制及びコストプラスの条件ではどちらも、業者がコストを抑える動機がほとんどありません。
あなたが、仕上げ又は備品の詳細について最終的に決めてなければ、契約でそれらの費用をどう決めるか規定して下さい。それから、業者は工事中に起こる予期していない問題への対処を規定したいでしょう。契約書に、どのような問題が予想されて、どのように解決し、解決のためのコストはどれくらいになるか、しっかりと規定して下さい。
契約上、支払いは全工事期間に渡って行うべきです。支払いは、主要な工事(たとえば解体、フレーミング、備品の搬入、その他)の時点で行います。全ての工事が完成して、全ての関係者から担保権の放棄同意書を受取って初めて、最後の支払いをします。

工事の変更

工事が始まった後、何か変更したくなるのは当たり前です。こういった変更は、間違いなく工事代金の増加につながります。内容変更は必ず書面にして、変更内容及び費用を規定し、工事を始める前に必ずあなた自身が承認します。

開始と完成日

契約は、工事の開始と完成日を規定しなければなりません。規定された日程違反への罰金があれば、業者は妥当な日程を組んであなたに工事がどれくらいかかるのか明確に説明する特別な動機が出来ます。

許認可と検査の責任

業者は、工事のための建築許可(事実上全ての改築工事には必要となります。)を取得する責任があります。適切な許可なしにはどんな改築もありえません。違反した場合は、役所は全ての条例違反物の撤去を指示できます。

弁護士費用と仲裁条項

契約は、全ての訴訟において、勝訴した側が敗訴した側から、弁護士費用と裁判費用を得られるように規定すべきです。また、争いが生じた場合、仲裁(通常、裁判よりも迅速に安く済みます。)を選択する条項を規定し、あなたの仲裁での弁護士による代理権を明確にして下さい。

(2006年春)

「自宅の改築:竣工」

アメリカ 弁護士 法律事務所 法律 自宅の改築:竣工あなたは、改築工事を慎重に計画し、予算をたて、業者を選定しました。次に、家中ごった返す中で生活をしながら、工事が契約条件に従って完成するか確認するという大変な段階になります。
本稿(「自宅の改築」シリーズの第3章かつ最終回)は、竣工に向かう際に起こる問題の一部を説明します。改築で最も頻発する落し穴をいくつか検証し、工事に問題が生じたときどう解決できるか考えます。

家の改築によくある落し穴

ほとんど工事は予定通りの日程・予算では仕上がりませんが、工事を悪夢にする必要はありません。着工時に、あなたが知っておくべき一般的な問題があります。

未着工

契約で、着工日を規定しなければなりません。そのような規定によって、仕事が日程通りに始まる可能性が高くなります。しかし、着工日を遅らせる理由は、いくつもあります。たとえば、悪天候又は資材の配送遅れです。日程通りに着工できない理由がどうであれ、業者はあなたに遅延理由を連絡すべきです。
工事が日程どうりに着工されず、業者から連絡がなかったならば、すぐに連絡をとってください。契約上着工日が指定されていれば、あなたはすぐに着工するように主張すべきです。具体的な着工日が指定されないならば、近日中の着工日を具体的に設定します。
業者がそのまま着工できないならば、弁護士と相談して下さい。弁護士は、あなたの要請に対応していない業者が契約違反になるかどうか判断して、契約違反の場合には、あなたがどのような補償を受ける権利があるか業者へ通知する手紙を作成してくれます。

竣工遅れ及び未完成

業者の責任は、仕事の進捗に最善を尽くし、全ての予期される問題と遅延をあなたに知らせることです。同様に、あなたも、業者とのコミュニケーションをきちんと取っておくべきです。進捗状況が心配ならば、電話するのを躊躇しないでください。建築においても、大抵のビジネスと同様に、クレームを入れる人への対応が一番早いという原則を思い出して下さい。
遅延が数週間又は数ヶ月になったならば、あなたは未完成という問題を抱え込んでいる可能性があります。未完成は、未着工よりもはるかにひどいものです。あなたは、いつ完成するかもわからない工事中の家に住み続けているのです。契約書で、着工日及び竣工日並びに工事が日程通り竣工しない場合の罰則を規定すべきです。
業者による工事の放棄が明らかなようならば、弁護士に会って工事から業者を排除する手続きを開始してください。弁護士は、下請け及び資材供給業者があなたの資産に対して登記している建物工事の先取特権のリスクからあなたを保護するように働いてくれます。

粗悪工事

業者の仕事は、州及び市町村の建築規則で定められた特定の標準を満たさなければなりません。地元の建築検査官は、工事がこれらの標準に従っているか確認します。
家屋の所有者として、あなたは建築基準違反にはならない粗悪工事の兆候がないか注意すべきです。粗悪工事の兆候は、通常明白です。たとえば、きちんと合っていない角又はスペースにきちんと収まっていない機器です。そのような仕上がりをみつけたら、すぐに業者に連絡し、やり直すように要求してください。
契約で、工事期間中に、第三者による検査をする権利を確保しておくべきです。業者が粗悪な工事に対する責任をとらないならば、この権利を行使すると主張すべきです。検査官に問題、その原因、修理方法と修理費用を詳しく記述した報告を提出するよう依頼します。
第三者である検査官の報告を受け取った後になっても、業者が問題の解決を拒否するならば、おそらく裁判所にいく準備をする必要があるでしょう。すぐに弁護士と相談して、どんな種類の証拠を集めなければならないか、そして、業者にどう対処するか教えてもらいます。

紛争の解決

家の改築工事から起こる問題を解決する最高の方法は、業者との良い関係を維持して、工事を管理することです。何か思い当たったら質問し、問題が起こったならばどう解決するか業者と交渉します。
問題が大きくなって、かつ対応の悪い業者であれば、問題解決のためにもっと効果的な対応をする必要があります。契約違反が起こったと考えるならば、業者に電話で、もっといいのは面と向かって、懸念を説明して下さい。話合いの記録を取っておきます。満足できる対応がなければ、弁護士と相談します。問題解決に必要なあらゆる対処をあなたが取るつもりであると、一通の手紙にしたためて業者に通知するだけで十分かもしれません。
契約条件及び弁護士のアドバイスは、どんな対応を取れるかの判断の助けになります。契約上では、争いが生じた際に裁判でない解決方法を認めていたり、又は規定していたりします。これは、仲裁または調停の形をとります。代替的な紛争解決方法が選択できなければ、賠償費用の見込額次第では、少額裁判所で問題解決を図れます。あるいは、業者に対して訴訟を提起する必要があります。弁護士は、紛争解決のためにどの手段が最善か決定する助けをしてくれます。
いずれにせよ、契約上の具体的な工事を要求するか(すなわち、業者に合意した工事を行うよう強制します。)、問題箇所の修理費用を損害賠償として求めることになります。

(2006年夏)

「相続は準備よければ全てよし」

アメリカ 弁護士 法律事務所 法律 相続は準備よければ全てよし家族のためにできる最高の贈物は、相続の準備を今始めることです。万一のとき家族が困らないように弁護士と相談して遺言を作成したり、信託を残したりできます。本稿がきっかけとなり、相続を計画して、あなたの望みが実現され、財産の分配が思い通りに実現されるように願っています。
統計によれば、アメリカの成人の半分も、遺言を作成していません。そして、その割合はここ数年でさらに下がっているようです。あなたがまだそれに手が回らないうちの1人ならば、遺言なしに旅立つリスクをとっています。つまり、あなたが旅立ったときには、政府が、あなたがやり残した判断を、代わって下すのです。

政府の判断

州法は、あなたが遺言又は信託を作成していないとき、あなたの財産がどのように分けられるか規定しています。詳細は州によって異なります。しかし、原則としては、政府は、あなたは、財産を配偶者、両親、その他へ分けるように考えていたとみなします。
政府の推定が、偶然あなたの望みと同じならば、それは問題ないかもしれませんが、おそらく、そうではないでしょう。多分、あなたは自由に配分を決めたかったでしょうし、親戚でない人か、又は直近でない親戚(たとえば、お気に入りの姪など。)に財産を分けたかったかもしれません。そして、多分、あなたは特定の財産(車とか、家宝等)を、決まった人に渡したかったかもしれません。あなたが遺言を残していなければ、これらのうちのどれも実現しません。
あなたに未成年の子供がいれば、遺言で誰が彼らを養育するか指示できます。あなたが遺言を残していなければ、裁判所が決定しなければなりません。そうなれば、手続きが面倒になるだけでなく、あなたであれば頼みそうにもない人が面倒を看る決定がされるかもしれません。
結局、あなたが遺言か信託を残していなければ、遺産の検認手続き(負債や税金の支払い、遺贈、その他の問題処理)が面倒になるのです。遺産分割の経費と時間がさらにかかり、結果として遺族への負担となります。

あなたの判断

遺言又は信託に何を入れるべきかの方程式はありません。相続の計画をするときに、弁護士と何が必要か相談してください。
信託にあなたの財産の全部又はほとんどを含めるとして、遺言か信託にどのような規定を入れたらよいのか一般的なアイデアを出しましょう。これが完全なリストというのではありませんが、出発点としてはいいでしょう。

財産の贈与

遺言と信託の一番大切な部分とは、あなたの財産を誰が受け取るかの判断です。住所やあなたとの関係を記して、誰が受取人かを間違いなく特定してください。最悪は、誰が贈与を受けるのかについて混乱させることです。
あなたが文書にしている時点からそれが実行される時点までに、何か変化がおこるかもしれないと心に留めておいてください。あなたの受取人のうちの1人があなたより先に死ねば、どうなりますか?あなたは、その人への贈与が彼の相続人にいくようにしたいですか、またはあなたが指定する他の誰かにいくようにしたいですか?どちらでもあなたの望みの通りに遺言か信託でできますが、弁護士はあなたの希望を知っておく必要があります。
そして、あなたが残した贈与の記述の仕方で、引き起こされるかもしれない混乱を予め検討して下さい。たとえば、ある財産があなたが文書にしている時とあなたが死んだ時の間で変る可能性があれば、一般的な表現を使ったほうがよいかもしれません。ある特定の500株を誰かに譲るという表現にしないで(あなたが死ぬ前に、その株を売って何かほかのものを購入するかもしれません。)、死亡時に「私の所有する株券」とか、その割合とか、金額とかを指定したほうがいいでしょう。
また、あなたの財産が保険証書、預金口座、従業員給付とかストック・オプションのような無形財産を含んでいるかもしれないことに注意してください。これらのもののうち、いくつかはその形成の仕方次第で、遺言とか信託の対象とならない(生存者への権利の帰属を認められた合有不動産権の場合、あなたの死亡時に財産は自動的に配偶者のものとなります。)かもしれませんし、受益者が特定されているもの(あなたの配偶者へ直接渡る雇用給付金等)かもしれません。弁護士と相談しながら、あなたが所有する全ての財産の完全なリストを作成し、それら全てがどう分配されるのか調整することは重要です。
賢明に贈与すると節税もできます。遺言と信託を通して、人に対してだけでなく、どこかの組織とか慈善団体に寄付もできます。

不動産贈与

大多数の人は、配偶者による家屋の相続を望みます。それが合有不動産でなければ、遺言又は信託でどうするのか指定しなければなりません。
家屋を担保にしている借入金を返済する前にあなたが死ねば、通常その不動産で清算しなければなりません。そのようにしたくないか、家屋の相続人が返済金を継続して支払ってほしいのであれば、遺言か信託の中で規定しなければなりません。

執行者・受託者

あなたは、遺言の執行者及び執行者に万一のことがあって責任を果たせないときのために承継人を指定しておくべきです。(信託の場合も、その受託者に関して同じようにしなければなりません。)執行者があなたの財産を管理するために、(1)不動産の購入、賃貸、販売、抵当権設定、(2)貸借金、(3)税務に関する権限を規定しておくのもよいでしょう。執行者にこういった柔軟性を与えておけば、予期しない状況に対処するための何ヵ月もの遅れや多額の経費を避けられます。

残余条項

遺言その他で特定していない財産を全て網羅するために、遺言の中で一番重要な部分です。遺書を書いた後に、新しい財産形成をして、誰かに贈与する規定をしていなければ、それは遺言からもれてしまいます。残余条項は、そのような財産を全て誰かに贈与できます。(遺言が残余条項を省略していて、誰にも贈与されていない財産が残っていれば、無遺言相続法に基づいて、時として長い時間をかけ裁判所の関与をへて、遺言に基づかないで処理されるのです。)

遺言信託

遺言を通して信託(遺言信託)を準備できますし、あなたが生前に作った信託へ基金を直接あてるように遺言の中で規定できます。(つまり、注ぎ込み条項つきの遺言となります。)通常、遺言の中の独立した条項で規定します。

遺言か信託か?

ここまでくれば、遺言とは何か大体わかったことでしょう。法律的には撤回可能な文書(すなわち、状況に応じて、又は気が変わったりして変更できるという意味です。)で、それによって死亡した際に、あなたの財産を分与し、あなたの望みを実行するために誰かを指定しておくものです。遺言は、少なくとも古代エジプト人の時代から利用されています。
信託はもっと新しく、一般的になりつつあります。遺言のように、死亡時に財産を分与する点は似ていますが、あなたにとって重要になり得るいくつかの利点があります。たとえば、バイパス信託は、節税にとても効果的です。
撤回可能な生前信託には税務上の効果があまりないかもしれませんが、以下のように役立つ点もあります。

  • 設定と変更が比較的簡単です。(遺言には、多くの形式的な決まりがあります。)
  • 検認手続きを省略したり、最小限にできます。
  • プライバシーを守れます。(遺言と違って、通常は登記が不要です。)
  • 生前に管理するのが楽です。(万一、あなたに判断能力がなくなったり、単純に自分でやるのが面倒だったら、受託者が、投資とかその他の財産を管理してくれます。)
  • あなたの財産を何年もかけて分与できます。(一度に全ての財産を贈与してしまう遺言と違い、信託は何年も機能し続け、あなたの死後長い間に渡って財産をどう分配するかについて、あなたの願み通りにしてくれます。)

弁護士は、あなたの状況を考慮して生前信託か他の信託がよいか、あなたが決断できるように手伝ってくれます。

(2005年秋)

「結婚と法律」

アメリカ 弁護士 法律事務所 法律 結婚と法律結婚により、あなたは一人の人に誓いを立てます。ただ、その誓いのほかに、実は新たに多くの法律上の権利と責任も、受け入れているのです。数え切れないほどの権利と義務が、新郎新婦に自動的についてきます。結婚は2人の間の個人的な結びつきです、しかし、それはまた、重要な法律上の結びつきでもあるのです。
祭壇で誓うとき、あなたが同意するものの一部を簡単におさらいしましょう。もし、特別な質問があれば、顧問弁護士に確かめるのもよいでしょう。

家族法

夫婦には、家族にかかわる諸々の権利と責任があります。これらの権利の多くは、夫婦が離婚するか別居する際に初めて問題となってきます。たとえば、結婚することによって、離婚した際に夫婦の財産の公正な分配を得る権利(結婚の間、築いた財産の多くは、夫婦のまたは共有の財産とみなされます。)が発生しますし、手当て(扶養手当または生活費)を求める権利も得ます。

不動産

若干の州では、あなたは連帯不動産として配偶者と全ての財産を共同で所有する権利が与えられます。この権利は、伝統的に夫婦にしか認められておらず、それぞれの配偶者は不動産の全てを所有しています。どちらも、相手方の同意なくして財産を処分できません。このよいところは、夫婦のうちのどちらか一方の債権者が他の配偶者の同意なしに家屋を売却させたりできないことです。さらに、配偶者のどちらかが死ぬと、残りの配偶者は自動的に、亡くなった配偶者の遺言の内容に関係なく、全財産の所有者になります。夫婦には家産権もあります。それは負債の返済のため家屋を競売に出すことを防いでくれるかもしれませんし、財産税にかんして有利な取扱いをもたらすかもしれません。

税金

結婚すると、夫婦は共同で申告する権利があります。もちろん、別々に申告もできます。片方が所得が多く、もう片方があまり所得がない夫婦は、共同申告により、節税できる可能性が高くなります。

医療関係法

夫婦は、配偶者が怪我で入院した際には、病院に見舞う権利を間違いなく有しています。この権利は、あたりまえすぎるかもしれません。でも、あなたが正式に結婚していなければ、見舞う権利は認められないかもしれないのです。
夫婦の片方が判断能力を失い、医療上の判断をできなくなったときに、裁判所は通常、配偶者を保護者また管理者として指名し、代わりに面倒をみるようにさせます。もし、判断能力のなくなった人が結婚していないなら、裁判所は、成人に達した子供か、兄弟、両親などを保護者として指名するでしょう。

遺言と遺産

あなたが未婚のまま、遺言なしで死んでしまったら、あなたの財産は州の無遺言相続法に従って、あなたの家族に分配されます。あなたに結婚していないパートナーがいて、たとえ長い間同棲していたとしても、そのパートナーは何も相続できません。反対に、結婚していて、遺言なしで死んだとしたら、州の無遺言相続法は、配偶者にあなたの財産の権利を認めます。
あなたが結婚していれば、相手の遺言に何が書いてあったとしても、夫婦の財産のうち自分の取分の権利は残り、相続を妨害されません。他にも、夫婦であれば、優先的に保護者または執行者としての地位が与えられます。

公的扶助

結婚した時点から、配偶者を通じて公的扶助を受けられる権利が発生します。たとえば、社会保険や配偶者が軍人であれば軍隊の扶助等があります。

私的扶助

結婚によって、配偶者の被用者の健康保険に加入できます。また、配偶者や子供の面倒を見るために、欠勤することも認められます。そして、小さな特典として、フィットネスセンター、クラブ、その他の団体の家族会員権や自動車保険の家族割引を受けたりできます。

その他の権利

あなたがもし結婚しているならば、いろいろな法律の分野でたくさんの権利が保障されています。配偶者が亡くなったら、あなたは不法死亡訴訟を第3者に対して提起できるかもしれません。配偶者が怪我をしてしまったら、配偶者権の喪失を理由として訴える権利が発生するかもしれません。結婚によって、配偶者は移民の権利も得ます。もし、夫婦のどちらかが犯罪行為に巻き込まれてしまったならば、もう一方の配偶者は不利な証言をすることを強要されません。万一、刑に服すことになってしまっても、配偶者は訪問する権利があります。

(2005年秋)

「今多くの州で認められている永続信託」

アメリカ 弁護士 法律事務所 法律 今多くの州で認められている永続信託慈善信託は、無期限に(たとえばローズ奨学金とかピューリッツアー賞信託のように)存在できますが、個人的な信託(個人の受託者への贈与を行う信託)は、従来信託を設立した時点で生存している人の一生に21年を加えた期間を超えて存在することが認められていませんでした。これは、永久積立禁止則として知られ、信託の寿命をおよそ100年に制限していました。
それらは、今変わりつつあります。多くの州で、無期限とまでいかなくとも、数百年も続く信託を認める法律が制定されています。代々引継がれても、現金に相続税がかかるのを防ぎ、(裁判、破産、離婚による)債権者から現金を守り、何代にも亘り子孫に益するのです。
そのような信託があなたの州で利用できるか、弁護士に確かめてください。あなたの州が禁止していても、永久積立に対して規制がない別の州に、信託を設定できる可能性もあります。

(2005年秋)

「内縁関係と同性結婚」

アメリカ 弁護士 法律事務所 法律 内縁関係と同性結婚正式に結婚していないならば、結婚している人と同じ権利を確保するために、膨大な書類(遺言から医療のための委任状まで)を作成しなければなりません。さらに、配偶者を通して認められている公的扶助のように、結婚している夫婦に認められて、どれほど長く一緒に暮らしていても結婚していないカップルには認められないものもあります。
一部の州と地方では、同性同士(そして、若干の地域では異性同士)がパートナーとして登録するのを許しています。パートナーとして享受できる恩恵と権利はそれぞれの地域によって異なります。一般的な権利は、家族の健康保険、家族またはパートナーの面倒を見るための休暇、忌引、入院中のパートナーを訪ねる権利と判断能力を失ったパートナーのために医療上の判断をする権利があります。バーモントでは、同性カップルに結婚を認めている法律は、バーモントの法律、条例、判例法上結婚している夫婦に認められているあらゆる効力をレスビアンやゲイのカップルにも与えています。

(2005年秋)

「相続プランを変更する理由」

アメリカ 弁護士 法律事務所 法律 相続プランを変更する理由相続プランは、あなたが旅立った後あなたの財産をどうするかの青写真です。あなたの遺産の相続準備には、遺書の作成、信託創設、生命保険の受取人の指名等があります。相続を上手く準備すれば、一生懸命働いた財産が自分の望み通りに分配されて、確実に愛する人への援助となります。
誰でも、時間を取って相続を準備するべきです。しかし、たとえ相続の準備をしても、のんびりしてはいられません。人生は留まっておらず、あなたを取巻く状況はおそらく変化していくでしょう。子供が増えたり、財産が増減したり。あなたが指名していた相続人が先に逝ってしまうかもしれません。あなたの子供が育って、あなたは配偶者と別れるかもしれません。こういった生活の変化の殆どは、相続プランに影響を与えます。それに、あなたが違う州へ引っ越して、(例えば、ニューヨークからフロリダへ)異なる州法が税金または相続に影響を与える可能性もあります。さらに、州または連邦法が改正されて、あなたの相続計画が役に立たなくなるか、または逆効果になってしまう危険性もあります。
また、あなたの資産の価値の変化が、遺書を変更するきっかけになるかもしれません。1990年代の好況時に多数の株券を持っていた人々の多くが、株価の急激な縮小をもろに受けて、例えば、慈善事業への寄付額を再考する必要があるかもしれません。あなたがある子供に株券を残して、別の子供に同価値の不動産を残していれば、これらの価値は、株価や不動産の変動とともに著しく上下してしまうでしょう。法律も変わります。相続税法(それは、国の財政赤字または軍事行動にさえ影響されて変わる可能性があります。)の改正で、多くの人が相続プランの修正を検討します。
少なくとも毎年一回は、遺書並びに財産の内容及び相続人を確認して、全て考え通りに上手くいくか確認すべきです。誕生日、独立記念日、又はその他の記憶に残る日を決めて、毎年の恒例行事を忘れないようにします。この分野の法律は、州毎(しばしば、大幅に)に異なっているので、自分で又は弁護士に頼んで、自分の州の法律が相続プランにどのような影響を与えるか確認するのが特に重要だと覚えておいて下さい。

遺書の変更

比較的少しの変更しかなければ、既存の遺書の変更で済むでしょう。遺書の修正は、追記と呼ばれます。(事務的な響きですが、時代遅れの遺書をアップデートすると考えて下さい。)単に遺書の条項に横線を入れて消し、有効な修正を書き込むことはできません。遺書自体を作成したときと同じ形式に従い、正式に追記を加えなければなりません。追記への自らの署名のために証人及び公証人の確認が必要です。もちろん、追加が遺書の後に加えられたと裁判所が確認できるように日付を記しておかなければなりません。追記は、遺書と一緒に保管しなければなりません。

新しい遺書の作成

離婚、再婚、新しい子供の誕生、宝くじの当選等、人生に大きな変化があったときには、追記で多くの修正を加えるよりも、遺書を書き直したほうが賢明です。新しい遺書の中で古い遺書を無効とすると規定するのは一番良い方法です。古い遺書をどうするべきかについて、2つの考えがあります。可能ならば弁護士と新しい遺書の証人の前で、古い遺書を破棄するよう勧めている弁護士もいます。古い遺言の破棄に反対する弁護士もいます。古い遺言は、遺書を変更するように不当な圧力がかかったという議論を避けるのに役立ちます。遺書の中にいくつも似た条項があれば、古い遺書がしばしば大切な証拠となります。
新しい遺書を作成するときには、署名日及び作成日を記入し、以前の遺書が無効になるという一文が入っているか確認します。さもなければ、裁判所は、新旧の遺書に齟齬があった場合にだけ、新しい遺書が古い遺書に優先すると判断する可能性が高くなります。
あなたが、状況の変化を反映するために、遺書を修正したり、又は再作成していなければ、裁判所はあなたの古い遺書をできるだけ尊重するでしょう。そのような変更は、あなたの遺書の内容に関わらず法律に則って行われます。たとえば、あなたに新しい子供ができて、あなたがその子に何も贈与しないと明確に表明していなければ、法律上その子はあなたの財産分与を受けるでしょう。同様に、あなたの遺書でたとえ何を規定しても、あなたの配偶者はあなたの財産(それは、州によって異なります)に対して特定の割合で権利があります。

(2006年春)

「熟年離婚」

アメリカ 弁護士 法律事務所 法律 熟年離婚

結婚していた期間が5年であろうと50年であろうと、離婚の決心は、人生で一番重要な決定かもしれません。年齢に関係なく、いくつもの感情的、財政的、法律的な問題を解決しなければなりません。
しかし、あなたが熟年ならば、さらに難しい問題がいくつもあります。あなたには、年金等の資産や決まった額の収入があっても、金融資産を増やす機会はそんなにないのが普通です。さらに、健康保険と社会保障の給付は、重要な関心事でしょう。あなたが熟年離婚を考えているならば、あなたの権利を守るために必要なステップについて弁護士に相談して下さい。

退職金

多くの家族にとって、年金は持ち家に次ぐ最大の資産です。結婚しているときに積立られた退職給付金は、離婚の際に分割の対象となります。結婚前に積立てられたか、離婚後に積立てられる退職給付金は、分割の対象となりません。
離婚する夫婦は、多くの場合、年金の分割に同意します。自分たちで年金の分割方法について同意できなければ、裁判所が関わってきます。往往にして裁判所は、相手方が他の収入源からの十分な収入と資産を持っていれば、年金を積立てた側に全ての権利を認めます。しかし、夫婦のうちの一方が、年金を主たる収入源としているならば、裁判所は、自分で積立てたかどうかに関わらず、年金の権利を分割する可能性が高いでしょう。裁判所は、夫婦間の分配を割合で決めるか(例えば、60%を一方に、40%を他方へ)、又は一定金額を一方にあたえて残りを他方へいくようにします。
連邦法は、年金の分配を規定しています。具体的には、法律は、適格家庭関係令(Qualified Domestic Relations Orders (QDRO’s))と呼ばれる命令を裁判所が出すのを認めています。この命令によって、年金制度の事務局は、年金の支払いを労働者だけでなく、その離婚した配偶者にもしなければなりません。民間雇用主による制度のほとんどはQDRO’sを遵守しますが、いくつかの軍及び政府の制度は、異なる規則と手続きの下での退職金の夫婦間の分配を認めています。あなたかあなたの配偶者の制度の下でどのような夫婦間の分配が可能か調べるためには、その制度の事務局に連絡をとってください。

社会保障

社会保障退職給付金は資産ではなく、離婚において分割の対象となりませんが、収入には違いなく夫婦が離婚するときには検討しなければなりません。あなたが少なくとも10年間結婚していてその後離婚するのなら、以下の条件を満たせば、元配偶者の社会保障に関して退職給付金を受取れます。

  • 最低62歳である。
  • 独身である。
  • 賃金を受取る者の主たる給付額の半分を超える他の給付(例えば、退職給付金及び障害給付金)を受ける資格がない。
  • 元配偶者に給付を受ける資格があるか、又は実際に受給している。

あなたかあなたの元配偶者が引退する年齢があなたの社会保障給付に重要な影響を及ぼしますので、あなたは夫婦の一方または両方が引退できる年齢について合意しておく必要があるかもしれません。たとえば、62歳でも退職給付を受けられますが、その額は正規の退職年齢での給付額より少なくなります。あなたの正規の退職年齢は、http://www.ssa.gov/retirechartred.htmで確認できます。

ヘルスケアプラン

離婚するとき、ヘルスケアプランの検討は重要です。健康保険と医療費は、あなたにとって最も高額な経費のひとつでしょう。夫婦が離婚すると、家族の健康保険証があっても、どちらもカバーされるわけではありません。保険は、保険を購入したか、仕事を通して保険に入った配偶者を対象とするだけです。家族保険の下で対象になっていた子供たちは、通常離婚後も続けてカバーされます。
しかし、1986年に制定された連邦法である包括的予算調整法(別名COBRA)は、雇用主負担の団体健康保険を、被保険者である従業員の離婚した配偶者へも、離婚後18ヶ月間(場合によっては最高36ヶ月間)は、同じ団体保険料率で適用するように規定しています。従業員の離婚した配偶者は、保険料を支払わなければなりません。COBRAの恩恵を受けたければ、正式に離婚が決まったらすぐに対応しなければなりません。あなたは、どんな手続きが必要か調べるために、被保険者である従業員の雇用主の人事部に連絡しなければなりません。通常、離婚の最終決定が下された後、60日以内に手続きをする必要があります。保険の継続は自動的ではありません。

その他の手続き

しばしば、人々は離婚の手続きに忙殺されて、健康保険やファイナンシャルプランニング(遺言、信託、委任状、ヘルスケアの事前の協議を含む。)を忘れてしまいがちです。
離婚に際して、これらの文書の修正は不可欠です。特に、あなたの元配偶者を受益者または受託者に指定している遺言や信託、それに元配偶者を受益者にしている健康保険証や生命保険証の変更を忘れないで下さい。あなたの離婚を担当している弁護士がいれば、この手続きの処理もしてもらえるかもしれません。

(2006年春)