米国でドローンを飛ばす

もし米国にお住まいの方で、最近流行りの無人操縦航空機システム（通称「ドローン」）を購入したとしたら、ドローンの使用に関する米国のルールや規制を知っておく必要があります。
米国では、全ての飛行（飛行機、ヘリコプター、ドローン等）を米国連邦航空局（以下FAA: Federal Aviation Agency）が制御しています。この規制を遵守しなかった場合、非常に重い罰金が待っています。2015年には、シカゴのある会社がＦＡＡの規制に従わなかったために、１９０万ドル（日本円で約２億２８００万円）の罰金を支払うことになりました。

もし、米国でドローンを飛ばしたいなら、まずその目的をはっきりさせなくてはなりません。
楽しみのためにドローンを飛ばすのであれば、ＦＡＡに自分のドローンを登録するだけで十分です。ただし、制限されている地区（飛行場など）から離れて安全にドローンを飛ばす必要があります。ドローンの登録は以下のサイトで、5ドルで可能です。
How to Register Your Drone | Federal Aviation Administration (faa.gov)

もし、仕事でドローンを飛ばすのであれば、例えそれがどんなにちょっとしたものであっても、手続きはかなり複雑になります。ＦＡＡから出ているセクション３３３と言う免除申請が必須です。その申請では、ドローンの操作目的や、どうやってドローンを安全に操作するのか、ＦＡＡに説明しなくてはなりません。

現行のルール及び規制では、仕事の一部としてドローンを飛ばすには、パイロットの免許を持っている必要があります。かなり極端なルールですが、今後ＦＡＡがドローンに特化した新しい規制を出せば、このルールはなくなるでしょう。とはいえ、この現行のルールを遵守しなければ、ＦＡＡから罰金が科せられます。

ドローンを楽しむために飛ばすなら、ＦＡＡからの特別な許可は必要ありませんが、それでも特定のルールや規制には従う必要があるといえます。自営業の方で、ドローンを仕事のために使うことを考えている場合、その割合がどれだけビジネスの全体を占めているかに関わらず、ＦＡＡの規制法規に寄り添っていく道を見出すためには、弁護士への相談が必要と言えます。１９０万ドルの罰金を払うことになったシカゴの会社の二の舞にならないまでも、確実にＦＡＡ民事罰に問われることになるからです。