銀行口座や自家用車、持ち家など、共同所有できる資産にはいろいろな種類があります。特に老年期にさしかかった人たちは、配偶者や子供、あるいは友人たちと銀行口座や株券を共同で所有しています。
相続プランニングとして、資産を共同所有にすべきでしょうか?それは状況次第です。ほとんどの弁護士は、以下の状況における共有所有を避けるべきだと注意喚起しています。
1.コントロールを維持したいとき
共同所有とは、その人との共同管理を認めることを意味します。たとえば、息子を家屋の共同所有者とすれば、彼が同意しない限り、家屋の売却や抵当権の設定ができません。また家屋を売却した場合、あなたの息子には収益の一部を受取る権利があります。
2.共同所有者を完全には信用できないとき
共同所有者であれば、共同の銀行口座から全てのお金を引出せますし、共同所有者の債権者は共同資産に先取特権を設定できます。さらに、共同所有者が法的無能力状態になれば、裁判所の面倒な手続きなしに、家屋等の共同名義資産の売却や譲渡をできなくなります。相手が信用できない場合には、共同所有で損害を被るリスクが高いのです。
3.難しい結婚関係にあるとき
大部分の州では、別々の資産であっても共同名義となった時点で夫婦の資産となり、離婚すれば配偶者間で分割されます。
4.気が変わりそうなとき
資産を共同所有に変えると同時に、共同所有者に資産の半分をプレゼントしたことになります。後で気が変わったとしても、それを返してもらうことはできません。
5.遺書代わりに共同所有を利用しているとき
共同所有が完璧に遺書の代わりになることは、ほとんどありません。その理由として、亡くなった人にはたいてい共同所有ではない何らかの資産があることが多く、結局検認手続きが必要となるのです。さらに万一共同所有者が同時に死亡してしまうと、共同所有は上手く機能しません。共同所有者のひとりひとりが、遺書を書いておく必要があります。
6.あなたの死後、共同所有が問題となるかもしれないとき
たとえば、共有所有となっている銀行口座が子供の生活費に充てるのに開かれたのか、プレゼントとして意図されていたのかはっきりしないとします。こういった曖昧さは、相続人の間で争いを引き起こしかねません。
たとえ上記のどの状況にもあてはまらなくても、共同口座を使う際には、注意が必要です。どちらかまたは両方の所有者に、考えてもいなかった税金が課せられたり、メディケードのような公共福利の受給資格に影響をあたえたりするからです。共有財産所有の法的影響については、頼れる弁護士と相談することをおすすめします。
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