相続プランを変更するきっかけ

遺言・信託

相続プランとは、あなたが旅立った後にその財産をどう扱うかの緻密な計画です。遺産の相続準備には、遺書の作成、信託創設、生命保険の受取人の指名等があります。準備がきちんとできれば、一生懸命働いた財産が自分の望み通りに分配され、確実に愛する人を助けることができます。

相続の準備にはしっかり時間をかけるべきです。しかし準備が終わったからといって、後は何も気にしなくてよいということにはなりません。人生は留まっているものではなく、あなたを取巻く環境は刻一刻と変化していくことでしょう。子供が増えたり、財産が増減したり、あなたが指名していた相続人が先に逝ってしまうこともあるかもしれません。あるいは子供が成長し、配偶者と別れることもあり得ます。こういった生活の変化のほとんどが、相続プランに影響を与えるのです。さらに、ニューヨークからフロリダへといった違う州へ引っ越したとすると、異なる州法が税金や相続に影響を与える可能性もあります。また州または連邦法が改正されて、あなたの相続計画が役に立たなくなるか、むしろ不利益になってしまう危険性もあります。

資産の価値の変化が、遺書を変更するきっかけになることもあります。例えば1990年代の好況時に多数の株券を持っていた多くの人が、その後の株価大暴落に苦しみ、慈善事業への寄付額を再考したかもしれません。またあなたが1人の子どもに株券を残して、別の子どもに同価値の不動産を残したとすると、これらの価値は、株価や不動産の変動とともに著しく上下することになります。さらには法律も変わるのです。相続税法に関しては、国の財政赤字や軍事行動によっても影響され、変わる可能性があります。そうした改正で、多くの人が相続プランの修正を検討せざるを得ないでしょう。

このため少なくとも毎年一回は、遺書・財産の内容、相続人を確認して、全て考え通りに上手くいくか確認すべきです。誕生日、独立記念日、その他の記憶に残る日に、こうした確認作業をするのもいいでしょう。この分野の法律は、州によって大幅に異なっていることもあるので、自分で、あるいは弁護士に頼んで、自分の州の法律が相続プランにどのような影響を与えるのか、確認することが特に重要です。

遺書の変更

比較的少ない変更しかなければ、既存の遺書を修正するだけで済むでしょう。遺書の修正は、追記と呼ばれます。これは事務的な響きですが、時代遅れの遺書をアップデートするとお考えください。しかしただ遺書の条項に横線を入れて消し、修正を書き込むことはできません。遺書自体を作成したときと同じ形式に従い、正式に追記を加える必要があります。なお追記に際する自署には、証人と公証人による証明が必要です。そして、追加が遺書の後に加えられたと裁判所が確認できるよう、日付も記しておく必要があります。さらにその追記は、遺書と一緒に保管しなければなりません。

新しい遺書の作成

離婚、再婚、新しい子どもの誕生、宝くじの当選等、人生に大きな変化があったときには、追記で多くの修正を加えるよりも、遺書を新しく書き直したほうが賢明です。そして新しい遺書の中で、古い遺書は無効とすると規定することが最善策といえます。ここで古い遺書をどうするべきかについては、意見が分かれており、可能ならば弁護士と新しい遺書の証人の前で、古い遺書を破棄するよう勧めている弁護士もいます。一方古い遺言の破棄に反対する弁護士もいます。古い遺言は、遺書を変更するよう不当な圧力がかかったという議論を避けるのに役立つからです。2つの遺書の中にいくつも似た条項があった場合、古い遺書はしばしば大切な証拠となります。

新しい遺書を作成するときには、署名日及び作成日を記入し、以前の遺書が無効になるという一文が入っているか確認しましょう。さもなければ、裁判所は、新旧の遺書に齟齬があった場合にだけ、新しい遺書が古い遺書に優先すると判断する可能性が高くなります。

環境の変化を反映するために遺書を修正したり、再作成していなければ、裁判所はあなたの古い遺書をできるだけ尊重するでしょう。そのような変更は、あなたの遺書の内容に関わらず法律に則って行われます。たとえば、あなたに新しい子供ができて、あなたがその子に何も贈与しないと明確に表明していなければ、法律上その子はあなたの財産分与を受けるでしょう。同様に、あなたの遺書でたとえ何を規定しても、あなたの配偶者はあなたの財産(それは、州によって異なります)に対して特定の割合で権利があります。

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