零細企業による新入社員の採用は、法律上問題が多いプロセスです。連邦政府と大部分の州は反差別法を規定し、人種や肌の色、宗教、出身、性別、妊娠の有無、年齢、障害、組合との関係、退役軍人かどうかに基づく、採用と雇用における差別から応募者と従業員を保護しています。さらに一部の州では、性的嗜好、婚姻状況や逮捕歴等、他のカテゴリーに基づく差別も禁止しています。雇主となる会社は、採用の全ての過程において、これらの法律を遵守しなければなりません。
採用広告
より優秀な応募者または従業員を採用するために、広告や職務内容説明書において、雇用者が特定の人種、性別、宗教、出身、年齢またはその他の州・地方の法律で保護対象となるようなことに関する、差別的表現を避けるべきです。たとえば「大卒」の代わりに「新卒」という表現を使った広告は、応募に際して年配の応募者を避け、若い人たちを優先すると暗示していることになります。同様に、「販売員」の代わりに「セールスマン」という表現を使用すれば、男性だけが応募できるとほのめかしているのです。
雇用者はまた、空きのある仕事の情報をどう発表するか決めるときに、注意しなければなりません。雇用主が用いたその方法が、ある特定のグループの応募者を排除する効果があった場合問題となるからです。雇用者は、可能な限り広く就職口の情報を発信することで、そうした問題を避けられます。幅広く購読されている新聞と雑誌に広告を掲載し、職業紹介所や州政府の雇用サービス部署を利用すれば、多種多様な能力のある応募者を見つけることができるでしょう。
応募者との面接
アメリカ障害者差別禁止法は、雇用主による応募者の身体的、又は精神的な状態に関するいかなる質問も禁じています。そのような情報を求める直接的質問(例:「健康上の問題がありますか?」)や間接的な質問(例:「これまでに労働者災害補償を請求したことがありますか?」)は禁じられています。むしろ、雇用主は全ての応募者に対して、職務の基本的な機能を果たせるかどうか質問すべきです。たとえば、仕事上1日8時間座っていなければならないならば、応募条件として、応募者がその要件を身体的に満たせるかどうか尋ねなければなりません。
また全国労働関係法は、組合のメンバーシップまたは活動についてのいかなる質問も禁止しています。例えば「労働者団体に属していますか?」「これまでにストライキに参加しましたか?」等の質問は法律違反です。
雇主は、面接中、注意深くメモしなければなりません。将来訴えられたとき、採用上の判断を説明できるだけでなく、採用方法の質の向上にそのメモが役に立つからです。ただし、雇主は仕事の遂行に必要な応募者の能力以外について書き留めるべきではありません。
推薦状の確認
連邦及び州法は、推薦状等の情報を求める雇主の権利を制限しています。必要以上にプライベートな情報を求めたり、情報を集めるために不合理な方法を使用するような推薦状の確認の仕方は、雇主に対してプライバシー侵害の責任が生じます。(但し、こうした問題は極めて稀です。)原則として、推薦状の確認を行うとき、雇主は応募者の過去の勤務状況に関する問題についてのみ尋ねなければなりません。
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