毎年、4000万を超えるアメリカ人が引越しますが、その大部分が夏の間に行われます。もしあなたが引越の準備をしているのならば、引越業者を雇う前に自分の権利と責任を知っておくことが大切です。
大部分の引越業者はきちんとした評判の良いビジネスを営んでいますが、顧客の所有物をトラックの中の人質にしてしまい、確認した見積よりもずっと高額な金額を要求する州際引越業者に対する苦情が増えています。危険な業者に当たってしまわないように、いくつかの気を付けるべきポイントがあります。
- 引越業者がきちんとした現場検証の後に見積りを出したか
- 会社のホームページに地元の住所、登録・保険に関する情報を記載されているか
- 引越の日に、会社が所有しているとわかる表示のあるトラックが準備されているか(レンタカーなどの場合間違いなく怪しいです)
連邦運輸安全局(the Federal Motor Carrier Safety Administration :MCSA)は、州をまたぐ引越に関して、業者に米国DOT番号の取得を求めています。www.protectyourmove.govでこの登録を確認できます。ただし州内の引越の規制は様々ですので、詳細は地元の消費者問題の関連部署に確認してください。
既に引越業者を選んでいて、その評判を信頼できるのであれば、あなたの所持品に関する業者の賠償責任も調べるべきです。全ての引越業者は、一品につき1パウンド0.60ドルの基本的な賠償責任を付けなければなりません。この補償は、追加料金なしで提供されます。しかしこの場合、引越業者は価値ではなく重さに応じて責任を負担します。たとえば、もし引越業者が10パウンドの重さで1,000ドルの価値のある物品を紛失あるいは、毀損した場合、0.60ドルに10パウンドを乗じた6ドルだけの責任となります。
高額補償プランとして全額補償(Full-Value Protection: FVP)というオプションもあります。FVPでは、物品の紛失、損壊、毀損の場合、引越業者はその物品の修理か、代替品の提供、又は市場価格を弁償しなければなりません。書面で放棄しない限り、自動的にこの種の補償を受けられます。注意しなければならないのは、引越業者はこの補償に関して料金を請求し、そのコストは荷物の価値の合計額に対する一定の割合になるということです。持ち物に高額の価値をつければつけるほど、FVPのコストも増えます。
引越業者の中には、直接関係のない保険会社を通して賠償保険を別途用意しているところもあります。あなたが引越業者を通じてこの特別な損害保険を購入するとき、引越業者は購入時点で約款、又は書面での記録を渡さなければなりません。そのような書面がなければ、引越業者は過失によって生じた全ての損失や損害に対して責任があります。
引越業者の通常の責任が限定されたり、減らされる場合もあります。腐りやすいもの、危険物、危険な品物を引越業者に連絡しないで含めた場合、さらに、1パウンドにつき100ドルを超える品物(たとえば宝石、銀製食器、磁器、毛皮、コンピュータ・ソフトウェア、その他)を書面で業者に告知しなかった場合等があります。さらに、多くの引越業者は、自分で梱包しなかった品物への損害の責任を否定します。従って、補償を受けるためには引越業者に荷造りさせるべきです。
引越で生じた損害や損失を補償してくれる住宅所有者または貸借人のための保険契約もあります。損倍保険またはFVPについて判断する前に、自分の保険の詳細を確認して下さい。そして思いがけない紛争から身を守るために、引越業者から必ず積荷証券を受け取るようにしてください。積荷証券は、あなたと引越業者との間の契約であり、法的には引越業者が運ぶ全ての積荷毎に作成されなければなりません。そして引越業者の担当者は、荷物を積込む前または積込み時に顧客にこれを渡す必要があります。受け取ったときには、内容をよく読み、何が書いてあるか完全に理解して了解できるまではサインしないようにしましょう。そして荷物が配達され、支払いが済み、問題が解決するまではきちんと保管しておいてください。
目的地に配達する際、引越業者は積荷の受取にサインするよう求めます。このときのレシートは、あなたが荷物を受領した証拠になります。もしそこに、会社又はその代理人の責任を免除する規定が入っていれば、サインする前に削除してください。
万が一引越で所有物が無くなったり、損害を受けたりすれば、賠償金を払うよう請求する権利があります。できるだけ早く苦情を入れて下さい。もしあなたの苦情が充分に解決されなければ、解決するために仲裁を利用できます。全ての引越業者は仲裁制度に参加しなければならず、さらに引越業者は引越の日の前に仲裁制度についての情報を提供しなければなりません。問題を解決できずに仲裁も上手くいかいかなかった場合、または仲裁をしない選択をした場合、民事訴訟を提起できます。弁護士は、どれが適切な方法か判断するのを手伝ってくれます。引越しの問題で困ったときには、迷わず弁護士に相談しましょう。
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