差別のない学校へ

教育法

夏休みは遠い記憶となり、全国の学生は、本をバッグに詰めて学校へ戻ります。若者の多くは(それに両親も)、連邦法タイトルIXが、全ての学生が学校の教室の内外で平等な機会を享受する権利を保障していると理解していません。
タイトルIXは、連邦政府の財政支援を受けている全ての教育制度又は活動において、性別による差別を禁止しています。タイトルIXは、男女のスポーツ選手への機会均等を規定しているだけではなく、数学の授業からバンドの練習まで、教育の全ての面に適用されます。
タイトルIXの主たる目的は、全ての女性への平等な教育機会の確保であり、特に、大学及び大学院の門戸の開放です。タイトルIX以前は、多くの大学院は女性入学者数の上限を設定しており、さらに、いくつかの学校は男性よりも女性により厳しい入学基準を課していました。タイトルIXの下で、そのような行為は違法です。

タイトルIXは、2種類の差別を規定しています。学生が性別により異なる扱いを受けたときはいつでも、取扱い差別となります。例えば、女子が家庭科クラスに、男子が工作クラスに割り当てられたり、または、先生が男子に建設の仕事についてのパンフレットを配布して、女子に同じ情報を配布しなければ、この差別となるでしょう。高校でのスポーツについて、女子を普通ではありえない、又は人気のないシーズンに割り当て、男子を通常のシーズンに割り当てた場合、取扱い差別となるでしょう。

結果的差別とは、見かけ上性差別を行っていないようで、実際には一方に対して他方よりも影響が大きい行為の結果起こる、より曖昧な差別の形態です。たとえば、学校に「髪の長い生徒には、化学の実験は認められない。」という規則があれば、結果的差別になる虞があります。そのような規則は、全ての生徒に適用されるので性差別でないようにみえますが、普通女子のほうが髪が長いので、実際には男子よりも女子生徒に多く適用されます。もし学校が、規則に関して「重大な合理的根拠」を証明できれば、ポリシーを正当化できる可能性もあります。たとえば、そのようなポリシーが安全のために必要であると主張するかもしれません。それに対し、女子生徒は、長い髪の学生が実験中は髪を後ろに結ぶという規則で同じように安全は確保できると反論できます。同様に、1時間チューバを持てる学生だけが、学校のマーチングバンドでチューバを演奏できるという規則は、差別的となる危険性があります。表面上全ての学生に適用されるので、規則は性差別をしてないようですが、女子は楽器を長時間運ぶために必要な、身体的な強さやスタミナが男子よりも劣る場合が多く、実際には女子により多く適用されてしまうのです。

もし、学校が生徒にたいして性別による差別をしていると思ったならば、どのような苦情を申し立てて、どんな救済措置があるかを弁護士に相談して下さい。

※この記事は法律上の助言を構成するものではなく、一般的な法的原則の一般的な概要のみを示しています。 これらの原則は、管轄地によって異なる場合があります。 ご自身の特定の状況については、弁護士に相談する必要があります。 この記事の公開によって弁護士と依頼人の関係が形成されません。

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