日暮れ、ビーチ、そしてビザ:外国での引退

最近、合衆国外での引退を考えているアメリカ人が多くなっています。海外での引退には、確かに有利な点がいくつかありますが、検討している人は、次の各点について必ず調べて下さい。

まず、なぜ外国で引退したいか、自問して下さい。良い気候を求める人もいますし、何らかの公共政策(例えば、同性結婚)を理由にする人もいます。財政的な理由で海外で引退する人もいます。税法上有利であったり、生活費が低い国もあります。「理由」を確認後、季節毎か永住かを適格に判断します。この違いにより移民上の条件が決まり、不動産購入の資格やヘルスケアの資格を取得できる国もあります。

どこにどれくらい行くのか分かれば、必要な書類を調べ、移民の手続きを確認します。引退した人に移民の資格を与える国もあり、すなわち引退者としての資格を単純に請求するだけで済みますが、これは世界中で一律なのではありません。たとえば、メキシコには引退者のために特別な移民の資格が設けられていますが、合衆国にはありません。必要な書類とビザの申請手続き確認のためには、合衆国にある滞在目的国の大使館又は領事館に連絡を取ります。目的国で必要となる条件に関係なく、合衆国への帰国、他国への渡航、又はその他の必要に応じて使用する合衆国の有効なパスポートがあるか確認して下さい。

次に調べるべき問題は、目的国で外国人に対して設定されている規制があるかどうかです。外国人が所有できる土地の量(額)を制限したり、特別許可証を必要とする国もありますし、外国人の土地所有にとてもおおらかな国もあります。公式な政策に関係なく、外国での土地の購入又は賃借を計画しているのならば、事前に綿密な調査をし専門家の法的なアドバイスを必ず受けて下さい。外国における名義(タイトル)の取得は、常に合衆国のように単純とは限りません。可能な限り、タイトル保険の購入を検討してください。

実際に合衆国を離れる前に、大切な書類と情報をまとめて家族に預けます。その中には、パスポートやその他のIDのコピー、最近のパスポート用写真、出生証明書の原本、目的国の合衆国大使館の連絡先を含めます。こうしておけば、何かを紛失したり、問題が発生した際に、重要な情報を直ぐに確認できます。

さらに、医療費の負担の問題もあります。たとえ目的国が一般健康保険を提供していても、こういったサービスを(特に初めての入国後すぐに)受ける資格があるかはわかりません。現在持っている保険に追加して、別の保険を購入すべきかもしれません。また、主治医に新しい家に越す前に何かの予防接種を受ける必要があるかどうか確かめるべきです。

ペットを飼っていれば、目的国への動物の持ち込み規制があるか調べます。予防接種を再度行うように求める国もありますし、最初の入国時に一定期間ペットを隔離するよう求める国もあります。出発前に充分余裕を持って準備できるように、合衆国にある該当国の大使館に連絡します。

退職間近の多くのアメリカ人にとって海外生活は検討に値しますが、引退のリーガルチェックアップの一環として弁護士と徹底的に話し合ってください。

海外での引退、又は長期間の海外旅行の前に、以下の重要な問題を検討しておくべきです。

  • なぜ、その国なのか?節税か?社会政策か?これらによって、目的国での移民上の資格と滞在期間が決まります。
  • どんな書類と移民上の資格が必要になるのか?引退者としての特別な資格を請求できるか?
  • 有効な合衆国のパスポートを持っているか?
  • 目的国での土地の購入が可能か?注意すべき何らかの規制やその他の問題があるか?
  • 家に残る家族に必要な書類を残しているか?残っている家族または友人に重要な書類の写しを必ず渡しておきます。
  • 病気になったら、どのように治療費を負担するのか?合衆国の保険は、目的国でも有効か?
  • ペットを飼っている場合、連れて行けますか?特別な予防接種が必要ですか?入国時に何か規制がありますか?

引退の計画を立てるとき、これらは弁護士と話し合うべき重要なトピックです。希望する目的国についての疑問があれば、合衆国にある大使館に連絡してください。

※この記事は法律上の助言を構成するものではなく、一般的な法的原則の一般的な概要のみを示しています。 これらの原則は、管轄地によって異なる場合があります。 ご自身の特定の状況については、弁護士に相談する必要があります。 この記事の公開によって弁護士と依頼人の関係が形成されません。

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