訴訟から財産を守る準備

危機管理・保険

買い物帰りに運転していたら、急に子供が道に飛び出してきたとします。子供を避けようとして、他の車にぶつかってしまいました。お分かりのように、その運転手は高額な医療費と車の修理費を裁判で請求してきます。家屋も取られてしまうのでしょうか?退職用の貯金はどうでしょうか?

アメリカの新聞の見出しは、原告が数百万ドルの判決を勝ち取ったとのニュースで埋まっています。こういった判断で、損害を受けた人たちにとって大切な救済とサポートが確保できるのです。しかし、同時に被告の破産にもなりえます。高額な判決への対応など考えもしないでしょうが、何か問題が起こったら、事前の準備を有難く思うでしょう。

州法上の判決に対する免責は多種多様です。したがって、州法を調べるのは重要です。それでも、いくつかの基本原則があります。どんな場合でも、事前の準備が必要です。訴えられた後又は責任のある事故を起こした後に、判決から資産を保護するために移動させたり何らかの処置をするのは認められません。裁判所は、そのような対応には否定的です。従って、身を守るためにどのような対応をするとしても、事前に行わなければなりません。

では、高額な判決が具体的にどのようなリスクを生むのでしょうか?これも、州法次第ですが、やはり基本原則があります。401kプランと会社の年金は、保護されるでしょう。IRAは、どこに住んでいるか、判決により破産を宣告されるかどうかにより、違ってきます。生命保険契約は通常大丈夫ですし、他の人の保険からの支払いも同様です。しかし、そのような支払いを一時金で受取る場合は、判決の対象となる可能性があります。

高額な判決を受けた人々の多くが抱く重大な懸念は、自分たちの家です。家屋は通常一番大きな投資で、究極家族が家と呼べるものであり、危機管理をここから始めるのも筋が通っています。大部分の州では、主たる住居(すなわち、ほとんどの期間を過ごすつもりの場所です。)は、判決から一定限度保護されています。保護対象額の上限を設定している州もありますが、上限は異なります。

おそらく、家屋やその他の資産を保護する最善の方法は、充分な保険の購入です。損害賠償保険は、住宅所有者の保護に利用される最も一般的な保険です。住宅所有者保険の賠償責任部分は、あなたの不動産上で起こった過失傷害及び他の人の資産への過失損害を対象とします。言い換えれば、過失で引起された傷害は対象としますが、意図的に引起された傷害は除きます。

資産を多く所有しているならば、アンブレラ保険の購入を検討してください。追加料金を払えば、アンブレラ保険が、通常の保険を簡単に超過してしまう高額な判決からあなたを守ってくれます。保険会社はあなたが絶対に使わないと考えているので、こういった保険は比較的廉価です。これは家や車の保険でカバーしきれない部分を補うので、購入に際しては家屋と車両保険を一定額まで付けなければなりません。さらに、一定の資格要件(所有台数の制限や最近酒酔い運転をしていない等)を満たさなければなりません。

どの保険も同じではありませんので、あなたの保険が何をカバーして何をカバーしないか確かめるのは大切です。細字部分を読んでください。自宅でビジネスをしていたり、池やプールなどの人工の施設があれば、追加の保証をつけたほうが良いでしょう。どのような保護であっても、何はともあれあなたと家族の保護が一番大切です。

※この記事は法律上の助言を構成するものではなく、一般的な法的原則の一般的な概要のみを示しています。 これらの原則は、管轄地によって異なる場合があります。 ご自身の特定の状況については、弁護士に相談する必要があります。 この記事の公開によって弁護士と依頼人の関係が形成されません。

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