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弁護士選びのヒント

アメリカで弁護士を選ぶためには何を基準にすればよいのでしょうか?経費が重要な要素であるのは、間違いありませんが、時と場合によっては、経費だけで判断できない場合もあります。ここでは、弁護士選びの際に、参考になるいくつかの基準について説明します。

学位

アメリカ合衆国で裁判官、検事、又は弁護士になるためには、州ごとに行われるバー又はバーイグザムと呼ばれる試験に合格しなければなりません。バーの受験には、大学卒業後認定されたロースクールに進学し、3年間のグラジュエート(大学院)プログラムであるジュリスドクター(Juris Doctor: JD)の取得が求められます。例外的に、ニューヨーク等ごく少数の州では、JDなしの受験を認めています。アメリカ合衆国内で実際に法律実務を担当する弁護士を選ぶ際には、優秀なアメリカ人学生との競争を経てランクの高いロースクールに入学し、さらに良い成績を収めて大規模な法律事務所に勤めているかどうかが、選択の参考になるでしょう。ジュリスドクター(JD)と呼ばれる他のアメリカ人と同じ3年履修の学位を持っていれば、アメリカ合衆国内どの州であっても弁護士を開業する試験を受験できます。従って、実務担当を任せて大丈夫と一般的には考えてよいでしょう。

ロースクールランキング

次に考慮すべき要素は卒業したロースクールの難易度ランキングです。一般的なビジネス雑誌などに掲載されているランキングの判定には、さまざまな要素が多く入っています。従って、入学難易度を純粋に比較するには、一般的なランキングではなく、入学審査に直接に関係する要素のみを使ったほうがより的確です。この入学難易度のランキングのリストは、広く普及していませんが、一般のランキングの中からロースクール入学時のテストであるロースクールアドミッションテスト(LSAT)と大学の成績評価基準であるグレードポイントアベレージ(GPA)を抜き出して簡単に作成できます。例えば、私の卒業したブリガム・ヤング大学(BYU)ロースクールは、USNews2007のランキングで全米34位になっていますが、LSATとGPA(ともに上位25パーセント)のみを使って判定すると、最高ランクであるLSAT166以上かつGPA3.86以上のロースクール群(Yale, Stanford, Harvard, NYU, Berkeley, Duke, BYU)に位置します。

文化・習慣の理解度

日系企業や在留邦人の方々の持つアメリカ人弁護士への不満のひとつが、アメリカ人弁護士による日本文化・習慣の理解不足です。日本人には日本人の、アメリカ人にはアメリカ人の文化・習慣があり、それらの違いが仕事上のさまざまな摩擦を生じています。弁護士は、クライアントの立場に立って仕事を進め、裁判所で弁護を行い、交渉をまとめていきます。もし、日本人の文化・習慣の理解なくクライアントの代理をしていれば、クライアントは相手方に対する対応・調整だけでなく、自分サイドに立っているはずの弁護士に対する対応・調整まで必要になるのです。こういったスキル及び知識を身に付けている弁護士かどうかは、日本国内の日本企業で、少なくとも3年間、理想的には5年間の正社員経験の有無で見当が付きます。

コミュニケーション

弁護士は、あくまでもクライアントを代理して、クライアントの意向を実現するのが責任です。ところが、弁護士の中には、この本来のあり方から逸脱し、クライアントの意向と異なる業務の進め方をする人もいます。こういった行為は、クライアントは法律の素人であり自分の判断が最終的には成功につながり、クライアントに時間をかけて、さまざまなオプションを説明するのを疎んじる態度からきています。しかし、弁護士は、いくら実力があっても、最終的なゴールをクライアントに納得して頂いて、そこにいたるまでの細かい選択について「すべてお任せします。」といわれない限り、クライアントにきちんと選択できるオプションとリスクを事前に説明し、了解を得た上で業務を進めるのが必要なのです。自分の依頼している弁護士が、どのようなタイプなのかの見極めは、どれだけコミュニケーションをとっているかどうかで可能です。クライアントの意向を尊重する弁護士は、必要な情報をタイムリーに連絡して、判断を仰ぐのを厭わずに仕事を進めているはずです。

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